夢
部屋には男女数人が転がっていて、別になにをするでもなくダラダラしているの。
旅行サークルという名の飲みサーのコンパ。
雪山のログハウスに絨毯と枕と毛布。
そんなところ
マッシュルームヘアのショートカットで、薄い唇に細い目をした、全体的に線の細い女の子は、私の隣で距離感が近い。
折れそうな腕に手を伸ばすと、向こうも私の頬の線をなぞる。
別になんとなく、お互いの境界線を認識するように触り合う2人
唇が触れそうになる。でも、触れない。
そんな距離感がずっと続くわけもなく、ゆっくりと触れていく。
サクラの花弁のように薄く柔らかい唇は、無味だった。
私は首筋にキスを落とそうとする。それがいつもの私の楽しいことをする時の手順だからだ。
首に顔をうずめようとした、が、止まる私の動き。なぜなら、彼女の首にキスマークがあったからだ。
あなたは誰のもの?
私の止まった動きになんの動揺もなく、空っぽな瞳で見つめられ、私は朝に呼ばれて夢から醒める。
もう会えないあなたは、誰のもの?